コンクリート

コンクリート用混和材 マイクロシリカ(Elkem Microsilica®)

 マイクロシリカはコンクリートの混和材として広く使用されております。
緻密なコンクリートが実現でき、塩化物や硫酸塩を遮断できるためヨーロッパでは海洋構造物に必ずといわれるほど添加されてます。
Norwayではフィヨルド間の海が非常に深いため橋の橋脚が立てられない場所があります。ところがフィヨルド内は外海と比較して海が穏やかなため浮式の橋脚が採用できます。ただし、海水からの塩化物の抑制、凍害耐性、強度が必要になるためマイクロシリカが欠かせない材料となります。

圧縮強度、流動性

一般的なコンクリートの水配合はセメントに対して40-60wt%です。水は反応に寄与するものと、コンクリート中に残留するものがあります。セメントはアルカリ性ですので残留したアルカリ溶液が鉄筋を酸化(錆)から守ってくれます。ただし、その分の間隙が多ければ多いほどコンクリート自体の強度が低下します。配合に必要な水量は少なければ強度が上がりますが、逆に「練る」ことが困難になります。
そこでマイクロシリカを添加すると、硬くて球状の微粒子がセメント粒子表面にコーティングされ、これがベアリングのような効果を発言し練り水を少なくすることが可能になります。
近年の高強度コンクリート(100MPa以上)を施工するにはマイクロシリカなくしては実現できません。
最近では高性能減水剤を利用して水比(W/B)は15%程度まで低減可能となりました。高強度、超高強度コンクリート用に広く適応されているマイクロシリカが、長期的に安定した社会基盤の構築とコストダウンに貢献しています。

耐久性

高強度で緻密なコンクリートが実現できるため、表面からの中性化や塩化物の浸透が抑制できます。この効果でスケーリングの問題を解決し、耐久性に優れたコンクリートが得られます。

養生の注意点

マイクロシリカを用いたコンクリートは一般のコンクリートと比較してブリーディングが少ない傾向があります。
そのため打設直後からコンクリート表面の乾燥を極力防ぐ必要があります。完璧な養生には最低7日間の湿潤養生が必要です。アメリカでは霧吹きや毛布を掛けて養生するのがスタンダードになっております。

施工性

マイクロシリカ(シリカフューム)を使用したフレッシュコンクリートはマイクロシリカのベアリング効果により流動性が発現します。
ポンプ圧送がしやすく、またセルフフローが大きいため、例えば床の打ち込みや仕上げがやり易くなるため施工時間の短縮に繋がります。
強度も出るため、コンクリート体積が減らすこともでき、アメリカでは立体駐車場の床施工で好評を得ております。

マイクロシリカを添加したコンクリートの透水性・透気性

マイクロシリカ(シリカフューム)の一次粒子は平均0.15ミクロンとセメント粒子と比較して著しく微粒であるため、セメントや細骨材の粒子間隙間をマイクロシリカが充填するために、透水性・透気性が低減しコンクリートの耐久性が向上します。

弊社では防水材として「ミックスタイト」の商品名で、ハンドリングし易いようにかさ密度を上げたマイクロシリカを販売しております。セメントに対して約3%の添加で効果が得られます。

摩耗対策にマイクロシリカ(Elkem Microsilica®)

マイクロシリカ(シリカフューム)を利用したコンクリートは緻密で強度が向上するため、欧米では耐摩耗性が要求される工事の実例が多くあります。
河川水路、倉庫床、滑走路エプロン、ダムの減勢池などに施工されます。
特にローダーが行き交う産業廃棄物を扱う場所などに効果が見られます。

塩害対策にマイクロシリカ Elkem Microsilica®

マイクロシリカ(シリカフューム)はマイクロフィラー効果やポゾラン反応により緻密な構造のコンクリートを実現するため、塩化物や硫酸塩の浸入・移動を抑制し、耐久性に富んだ構造物に寄与します。

ドバイでは土壌の硫酸塩濃度が高いため、この対策として殆どの構造物にElkem 920Dが活躍しております。

ドバイのブルジュ・ハリファにElkem社の920Dが使用されております。

配合表

マイクロシリカデーターシート

高強度

耐久性

耐塩害

耐硫酸塩

吹き付け

原子力関係にマイクロシリカ

Elkem Microsilica®

マイクロシリカを配合した緻密なコンクリートは海外の原子力関連施設で広く利用されております。
W/Cを低くしたマイクロシリカ配合の生コンクリートは「餅」のような粘りを持つため、放射線遮断能力に長ける高密度で重い骨材(鉄など)を分離することなく打ち込むことが出来ます。

原子力関連詳細